特殊清掃の資料公開

うまくタイミングを読んだと悦に入っていたが、実は私も見誤っていた。
不動産価格はさらに下がり続け、ようやく九三年に下げ止まった。 振り返って見ると、イギリスがユーロ不参加を決めた九ニ年九月の三ヶ月後あたりが、不動産の相場の転換点であった。

その後、徐々に金利が低下し景気も回復し始め、消費者の購買力が増加して来た。 そして、その間小動きを続けていた不動産価格は九六年からぐんぐん上昇し始めるである。
金利と景気の動きに見事に連動している。 長期的な目で見れば、不動産の相場は分かシティの金融マンは仕事柄、ふだんから金利の変化と不動産相場の動向には注目している。
九○年代後半からニ○○○年にかけて、彼らの中には、自分の住居用以外に、人に賃貸するために一戸建てやフラットを購入する者が多かった。 家賃収入を得る一方で、将来の値上がりを狙ったのだ。
購入した家やフラットを人に貸し、家賃収入を得ながら好機の到来を待った彼らの狙いは的中し、その後数年間の値上がりで、かなりの投資利益を得たはずだ。 これまで述べた通り、イギリス人にとって、家は、生活の根拠地であると同時に、投資の対象でもある。
つまり、彼らが、家を大切にし、よく手入れをするということは、自分の生活を大切にすると同時に、将来の資産作りを考え、投資物件の価値を損なわないように、努力しているということでもある。 その意味では、なかなかしたたかなのである。
学校を出て就職すると、イギリスの若者は、まず小さなフラットを借りて住む。 フラットは日本でいえばアパートである(ただし、内装も外装も立派な高級フラットは、日本ならさしずめマンションに匹敵する)。
しかし、ロンドン市内の家賃は高い。 就職したばかりの若い人の給料は安いので、一人では負担が大き過ぎる。
そこで、ルームメイトを探す。 気の合った友人とひとつのフラットを共有して家賃を分担することで、生活費を切り詰めるのだ。

プライバシーにうるさく個人の生活を大事にするイギリス人だが、経済観念は発達しており、彼らは倹約を旨としている。 その点では、いつまでたっても親掛かりから抜け出せない日本の若者の方が、よほどぜいたくな暮らしをしているかも知れない。
さて、入社して数年経てば、給料が高くなってくる。 これをこつこつと貯めておき、やがて結婚、あるいは、同棲の相手が見つかる頃合いに、自分のフラットを買うのである。

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